ショートニング代用でパン作り!おすすめの材料と使い分け術

ショートニング代用でパン作り!おすすめの材料と使い分け術
ショートニング代用でパン作り!おすすめの材料と使い分け術
材料選び・代用・計算・保存

「パンを焼きたいけれど、ショートニングが家にない」「添加物が気になるから、別の材料で作りたい」とお悩みではありませんか?パン作りのレシピによく登場するショートニングですが、実は身近な食材で十分に代用が可能です。

使う油脂を変えることで、風味豊かになったり、しっとりとした食感になったりと、新しいおいしさを発見できることもあります。この記事では、ショートニングの代わりになる材料と、それぞれの特徴や使い分けのコツをわかりやすく解説します。

ショートニング代用の基本と選び方のポイント

パン作りにおいて、ショートニングは「サクサク感」や「ふんわりとしたボリューム」を出すために使われる無味無臭の油脂です。代用品を選ぶ前に、まずはなぜショートニングが使われるのか、そして代用することでどのような変化が起きるのか、基本を押さえておきましょう。

ショートニングの役割とは?

ショートニングは、植物油などを原料とした固形の油脂で、水分をほとんど含んでいません。パン生地に混ぜ込むことで、グルテンの結びつきを適度に断ち切り、生地の伸びを良くする働きがあります。これにより、焼き上がったパンは皮(クラスト)がサクッと歯切れよく、中身(クラム)はふんわりと軽い食感に仕上がります。また、無味無臭であるため、小麦の香りや他の副材料の風味を邪魔しないという特徴もあります。

代用品を選ぶときの基準

代わりの油脂を選ぶ際は、「どのような食感にしたいか」と「風味をつけたいかどうか」がポイントになります。たとえば、バターを使えばリッチな風味とコクが加わりますが、ショートニング特有の「軽さ」は少し減り、しっとりとした食感になります。一方で、サラダ油などの液体油脂を使うと、ボリュームは出にくくなりますが、冷めても固くなりにくいというメリットがあります。作りたいパンのイメージに合わせて油脂を選ぶことが成功への近道です。

健康面から代用を考える場合

ショートニングを避けたい理由として、トランス脂肪酸を気にされる方も多いでしょう。昔に比べて現在は低減された商品も増えていますが、より自然な素材を使いたい場合は、バターやオリーブオイル、またはトランス脂肪酸フリーのオーガニックショートニングなどを選ぶのがおすすめです。手作りパンならではの、安心できる材料選びを楽しんでみてください。

バターやマーガリンを使った代用テクニック

家庭にある材料の中で、最も手軽で失敗が少ない代用品が「バター」と「マーガリン」です。これらはショートニングと同じ固形油脂であるため、生地への混ぜ込みやすさや扱い方が似ており、初心者の方でもスムーズに代用できます。

バターで代用する場合

バターはショートニングの代用品として最も一般的です。ショートニングが無味無臭なのに対し、バターは乳製品特有の豊かな風味とコクを持っています。そのため、食パンやバターロールなどに使うと、香りが良く、リッチな味わいのパンに焼き上がります。分量は基本的にショートニングと同量(1:1)で置き換えて問題ありません。ただし、バターには約16%の水分が含まれているため、厳密には少しだけ水分量を調整することもありますが、家庭でのパン作りならそのままでも大丈夫です。

メリット:風味やコクが増し、美味しい焼き色がつきます。

デメリット:ショートニングほど軽くサクッとはならず、ややしっとりします。

マーガリンで代用する場合

マーガリンもショートニングと同じように植物性油脂を主原料としているため、比較的軽い食感に仕上がりやすいのが特徴です。バターよりも柔らかいため、生地に練り込む作業が楽に行えるという利点があります。バターほど強い風味はありませんが、ほのかな塩味や香りがつくため、惣菜パンや菓子パンなど幅広いパンに適しています。最近では「バター風味」のマーガリンなども販売されており、コストを抑えつつ風味を出したい時に便利です。

有塩と食塩不使用の使い分け

バターやマーガリンには「有塩」と「食塩不使用(無塩)」があります。パンのレシピでは、塩の量を正確にコントロールするために「食塩不使用」が推奨されることが多いですが、通常の有塩タイプでも代用は可能です。有塩バターやマーガリンを使う場合は、レシピに含まれる塩の量を少し減らす(1〜2g程度)などの調整をすると、塩辛くなりすぎるのを防げます。

サラダ油やオリーブオイルで代用する場合

固形の油脂がない場合や、よりヘルシーに仕上げたい場合は、サラダ油やオリーブオイルなどの「液体油脂」を使うこともできます。ただし、固形油脂とは性質が異なるため、仕上がりの食感や生地の扱いに少し違いが出ます。

サラダ油や太白ごま油の特徴

サラダ油や、製菓用として人気の太白ごま油(焙煎していない白いごま油)は、クセがなく無味無臭に近いため、ショートニングの代用として使いやすい液体油脂です。これらを使うと、パンのボリュームは少し控えめになりますが、中身がきめ細かく、しっとりとした食感に仕上がります。また、液体の油は冷えても固まらないため、時間が経ってもパンが硬くなりにくいという嬉しい効果もあります。

オリーブオイルの活用法

オリーブオイルは独特の香りがあるため、フォカッチャやピザ生地、ハード系のパンなど、食事に合わせるパンの代用油脂として最適です。オリーブのフルーティーな香りが生地に移り、風味豊かなパンになります。一方で、甘い菓子パンや繊細な風味の食パンに使うと、オリーブの香りが主張しすぎてしまうことがあるため、作るパンの種類によって使い分けるのがおすすめです。

液体油脂を使う際の注意点

液体油脂を代用する場合、生地がベタつきやすくなることがあります。固形油脂のように「後入れ」して練り込むのが難しい場合は、水や牛乳などの水分を入れるタイミングで、油脂も一緒に混ぜてしまう方法がおすすめです。ホームベーカリーを使用する場合も、最初の段階で他の材料と一緒に投入してしまって構いません。分量はショートニングと同量で大丈夫ですが、ベタつきが気になる場合は少し減らしても良いでしょう。

ラードやココナッツオイルなどその他の油脂

さらにこだわったパン作りをしたい場合や、特定の食感を求めるときには、ラードやココナッツオイルなども代用品として活躍します。それぞれの特性を知ることで、パン作りのバリエーションがさらに広がります。

ラード(豚脂)でサクサク感を再現

実はショートニングに最も性質が似ているのがラードです。ショートニングが開発される前は、ラードがその役割を担っていました。動物性の油脂であるラードを使うと、独特の旨味が加わると同時に、ショートニングに負けないくらいの「サクサク感」や「歯切れの良さ」が出ます。特にフランスパン風の生地や、ハード系のパン、また中華まんの生地などに使うと、プロのような本格的な食感を再現できます。

ココナッツオイルで香りを楽しむ

ココナッツオイルは、25℃以下で固形になる性質を持っているため、ショートニングやバターの代用として扱いやすい油脂です。特筆すべきはその甘い香りです。ココナッツの風味がしっかりとつくため、南国風のパンや、甘味のある菓子パンとの相性が抜群です。香りが苦手な場合は「無香タイプ(精製タイプ)」のココナッツオイルを選ぶと、クセのない植物性油脂として幅広く活用できます。食感はややサクッとした軽さが出ます。

メモ:ココナッツオイルは温度によって形状が変わるため、冬場は固くて計量しやすく、夏場は液体になることを覚えておくと便利です。

代用する際に気をつけるべきポイント

ショートニング以外の油脂で代用する場合、分量は基本的に「同量」で問題ありませんが、より失敗なく美味しいパンを焼くために知っておきたいポイントがいくつかあります。

水分量の微調整

先述の通り、ショートニングは油脂100%ですが、バターやマーガリンには水分が含まれています。厳密に言えば、バターで代用すると生地の水分量がわずかに増えることになります。また、液体油脂を使うと生地が緩くなりやすい傾向があります。手ごねで作る場合は、レシピ通りの水を一度にすべて入れず、小さじ1〜2杯分を残して様子を見ながら加えると、生地がベタベタになりすぎるのを防げます。

油脂を入れるタイミング

固形油脂(バター、マーガリン、ラード、固まったココナッツオイル)は、生地がある程度まとまってグルテンができ始めた段階で練り込むのが基本です。これにより、グルテンの形成を邪魔せず、よく膨らむパンになります。一方、液体油脂(サラダ油、オリーブオイル)は後から混ぜ込むのが大変なため、水と一緒に最初から入れてしまうか、粉っぽさがなくなった直後に入れるのがスムーズです。

補足:油脂には「パンの老化(乾燥して硬くなること)」を遅らせる効果があります。ショートニングなしで作る「ノンオイル」のパンも可能ですが、その場合は焼いたその日のうちに食べるか、早めに冷凍保存するのが美味しく食べるコツです。

まとめ

ショートニングがない場合でも、ご家庭にあるバターやマーガリン、サラダ油などで十分に美味しいパンを作ることができます。それぞれの油脂には「風味」「食感」「扱いやすさ」に違いがあり、その特徴を理解して使い分けることで、いつものパン作りがより楽しくなります。

今回の要点の振り返り:

  • 風味としっとり感を重視するならバター
  • 軽さとコストパフォーマンスならマーガリン
  • もっちり食感やヘルシー志向ならサラダ油・オリーブオイル
  • サクサク感や歯切れの良さを求めるならラード

「代用=妥協」ではありません。むしろ、代用品を使うことで、自分好みの味や食感にカスタマイズできるのが手作りパンの醍醐味です。ぜひ、今日からさまざまな油脂を試して、あなただけのオリジナルのパン作りを楽しんでみてください。

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