タイプERとリスドォルの違いとは?パン作り初心者に役立つ選び方

タイプERとリスドォルの違いとは?パン作り初心者に役立つ選び方
タイプERとリスドォルの違いとは?パン作り初心者に役立つ選び方
材料選び・代用・計算・保存

ハード系のパン作りに挑戦しようとしたとき、レシピ本や製菓材料店の棚で「リスドォル」と「タイプER」という2つの粉の名前をよく見かけるのではないでしょうか。どちらもフランスパンなどのハード系に適した「準強力粉」ですが、実はその性質や焼き上がりの風味には明確な違いがあります。

この記事では、長年愛され続ける定番の「リスドォル」と、北海道産小麦の力強い旨味が特徴の「タイプER」を徹底的に比較し、それぞれの粉が持つ個性や向いているパンの種類について解説します。自分の理想とするバゲットやカンパーニュを焼くために、粉の選び方のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

タイプERとリスドォルの違いを基本データから比較

まずは、タイプERとリスドォルという2つの準強力粉が、具体的にどのような違いを持っているのか、基本的なデータや背景から比較していきましょう。同じ「フランスパン用粉」として販売されていても、原料の産地や成分のバランスが異なるため、生地の扱いやすさや完成したパンのキャラクターには大きな差が生まれます。ここでは、成分値や産地、価格帯といった客観的なデータをもとに、それぞれの粉の立ち位置を明確にしていきます。

準強力粉としての基本成分と数値の違い

パン作りにおいて、粉の性質を知るための重要な指標となるのが「タンパク質含有量」と「灰分(かいぶん)」です。一般的に、リスドォルのタンパク質は約10.7%、灰分は約0.45%とされています。これはフランスパン用粉としては標準的な数値であり、生地の伸びやかさと焼き上がりの軽さを両立させるバランスの良い設計になっています。

一方、タイプERはタンパク質が約11.3〜12.0%程度、灰分は約0.68〜0.70%前後と、リスドォルに比べてどちらも高い数値を示しています。特に灰分の高さはタイプERの大きな特徴で、これが独特の濃い色合いや風味の強さに直結しています。タンパク質が多いぶん、グルテンの形成力もやや強めですが、ハード系らしい歯切れの良さも兼ね備えているのがポイントです。

原産国とメーカーによる開発コンセプトの違い

リスドォルは日清製粉が製造しており、主に海外産の小麦を主体にブレンドされています。その開発コンセプトは「伝統的なフランスパンの味と香りを日本で再現すること」にあり、長年にわたって日本のフランスパン用粉のスタンダードとして君臨してきました。多くのレシピ本がリスドォルを使用することを前提に書かれているのも、その品質の安定性と信頼性の高さゆえです。

対照的に、タイプERは北海道の江別製粉が製造する「国産小麦」の準強力粉です。「ER」という名前は「European Rouge(ヨーロピアン・ルージュ)」などに由来するとも言われていますが、目指したのはフランスの小麦粉規格である「タイプ65」に近い性質です。北海道産小麦である「きたほなみ」などをベースに、国産小麦特有のモチモチ感と、ヨーロッパ産小麦のような野性味ある香りを融合させることを目指して開発されました。

価格や入手しやすさの傾向について

パン作りを続ける上で気になるコストパフォーマンスや入手のしやすさについても触れておきましょう。一般的に、リスドォルは流通量が非常に多く、製菓材料専門店だけでなく、大型のスーパーマーケットやデパートの製菓コーナーでも見かけることができます。価格も輸入品を含むブレンド粉であるため、比較的リーズナブルに設定されており、練習用に大量に使用したい初心者にとっても手に取りやすい粉と言えます。

一方、タイプERは国産小麦の中でもこだわりのある銘柄であり、基本的には製菓材料専門店やネット通販での購入がメインとなります。価格はリスドォルに比べるとやや割高になる傾向がありますが、国産小麦としての付加価値や風味の豊かさを考えれば、十分に納得できる範囲です。特別な日のパンや、素材の味をじっくり楽しみたいときなど、用途に合わせて使い分けるのが賢い方法です。

パン作りにおける役割と共通点

成分や産地に違いはあっても、タイプERとリスドォルには「ハード系のパンを美味しく焼く」という共通の目的があります。どちらも強力粉に比べてグルテンの質が軟らかく、生地が伸びやすい性質を持っています。これにより、フランスパン特有のクープ(切り込み)が綺麗に開きやすく、ボリュームのある焼き上がりを実現できます。

また、どちらの粉もバゲットやカンパーニュといったシンプルなハードパンだけでなく、クロワッサンやデニッシュなどの折り込み生地、あるいはピザ生地などにも適しています。強力粉だけで作ると引きが強すぎてしまうパンも、これらの準強力粉を使うことで、サクッとした歯切れの良い食感に仕上げることができるのです。基本の役割は同じですが、そこから生まれる食感や風味の方向性が異なるため、自分の好みに合わせて選ぶ楽しさがあります。

リスドォルの特徴:日本で最もポピュラーなフランスパン用粉

ここからは、それぞれの粉の特徴をさらに深掘りしていきましょう。まずは、日本のパン作り愛好家にとって「親」のような存在とも言えるリスドォルについてです。なぜこれほどまでに普及し、多くのベイカーに愛され続けているのでしょうか。その秘密は、計算し尽くされたバランスの良さと、誰が使っても失敗しにくい安定感にあります。リスドォルを知ることは、フランスパン作りの基礎を知ることと言っても過言ではありません。

リスドォルが愛される理由と歴史的背景

リスドォルは、日本の家庭製パンの歴史とともに歩んできたと言ってもよいほど、長い実績を持つ粉です。かつて日本で本格的なフランスパンを焼くことは難しいとされていましたが、リスドォルの登場によって、家庭でもお店のようなフランスパンを焼くことが現実的になりました。「リスドォル(Lys d’Or)」とはフランス語で「金のゆり」を意味し、フランス王家の紋章にちなんで名付けられています。

この粉が愛される最大の理由は、その「変わらない品質」です。いつ買っても、どの季節に使っても、一定のクオリティのパンが焼けるという安心感があります。プロの現場でも広く使われており、多くのパン職人が修行時代にリスドォルで技術を磨いた経験を持っています。そのため、プロのレシピを家庭向けにアレンジする際も、リスドォルを指定銘柄とすることが多く、結果として「まずはリスドォルから」という定説が生まれました。

初心者でも扱いやすい生地の特性と安定性

パン作り初心者にとって、ハード系の生地は水分量が多くベタつきやすいため、扱いが難しいと感じることがあります。しかし、リスドォルは適度な吸水性とまとまりの良さを持っており、比較的ベタつきを抑えながら作業することができます。また、リスドォルには「粉末麦芽(モルト)」があらかじめ添加されています。モルトには酵素が含まれており、これがイーストの発酵を助け、生地の糖分を分解して焼き色を美しくする効果があります。

自分でモルトシロップやモルトパウダーを計量して添加する必要がないため、計量の手間が省けるだけでなく、発酵不足による失敗のリスクも軽減されます。生地の伸展性(伸びやすさ)も抜群で、成形の際に無理な力がかかりにくく、綺麗な形に整えやすいのも魅力です。初めてバゲットに挑戦するなら、まずはこの扱いやすさを体感してみることを強くおすすめします。

焼き上がりの風味と食感の傾向:軽さと歯切れ

リスドォルで焼いたパンの最大の特徴は、クラスト(外皮)のパリッとした軽快さと、クラム(中身)のあっさりとした口溶けの良さにあります。焼き上がった直後のパンからは、香ばしい小麦の香りと発酵による甘い香りが漂いますが、決して主張しすぎることなく、上品にまとまっています。食べてみると、口の中でスッと溶けるような軽さがあり、重たさを感じさせません。

この「軽さ」と「歯切れの良さ」は、食事パンとして非常に優秀です。スープやメイン料理の味を邪魔することなく、引き立て役として機能します。例えば、濃厚なバターを塗ったり、具材を挟んでサンドイッチにしたりしても、パンが主張しすぎないため全体のバランスが良く仕上がります。毎日食べても飽きない、まさに「日本の食卓に合うフランスパン」を作るための粉と言えるでしょう。

向いているパンの種類とおすすめレシピ

リスドォルの特性を活かすなら、やはり王道の「バゲット」や「バタール」などのフランスパンが最適です。クープが開きやすく、エッジの立った美しい見た目のパンを焼くことができます。また、リュスティックのような高加水のパンにも向いており、気泡をたくさん含んだ軽い食感を楽しむことができます。

その他にも、クロワッサンやデニッシュなどのヴィエノワズリー(菓子パン)にもよく使われます。強力粉で作るとモチモチしすぎてしまうこれらのパンも、リスドォルを使うことでサクサクとした層が際立ち、プロのような食感に近づきます。さらに、ピザ生地に使えば、ナポリピッツァのような縁がカリッとした仕上がりになりますし、ベーグルに使えば、ムギュッとしつつも歯切れの良い、食べやすい食感になります。汎用性が高く、1袋あると様々なパン作りに応用できる万能選手です。

タイプERの特徴:北海道産小麦の力強い旨味

次に、近年人気が急上昇している「タイプER」について詳しく解説します。国産小麦ブームの追い風もあり、より味わい深いパンを求めるベイカーたちから熱烈な支持を受けているのがこの粉です。リスドォルが「軽さとバランス」の粉であるなら、タイプERは「重厚さと個性」の粉と言えるかもしれません。北海道の大地が育んだ小麦の力を、存分に感じることができるその特徴を見ていきましょう。

タイプERならではの香りと深い味わい

タイプERの袋を開けると、まずその粉の色に驚くかもしれません。真っ白なリスドォルに比べて、タイプERは少し黄色味を帯びた、グレーがかった色をしています。これは「灰分」が高いためであり、小麦の外皮に近い部分が含まれている証拠です。この灰分の高さこそが、タイプERの最大の魅力である「濃い味」の源泉となっています。

焼き上がったパンからは、トーストしたナッツや穀物のような、野性味あふれる力強い香りが立ち上ります。噛み締めると、小麦本来の甘みと旨味が口いっぱいに広がり、何もつけなくてもずっと噛み続けていたくなるような味わい深さがあります。フランスの伝統的な製法で作られるパンのように、粉そのものの味をしっかりと主張してくるため、パン単体としての満足度が非常に高いのが特徴です。

国産小麦特有のモチモチ感と高い吸水性

北海道産小麦であるタイプERは、国産小麦特有の「モチモチ感」を色濃く持っています。リスドォルがサクッと噛み切れるのに対し、タイプERはクラムに弾力があり、しっとりとした瑞々しさを保ちます。この食感は日本人好みとも言われ、「ご飯」のような甘みと粘り気を感じさせます。時間が経ってもパサつきにくく、翌日もしっとり感が持続しやすいのも嬉しいポイントです。

また、灰分が高い粉は一般的に吸水性が高くなる傾向があります。タイプERも例外ではなく、水をたっぷりと抱え込むことができます。加水率を高めたレシピ(ロデヴや高加水カンパーニュなど)に挑戦する際、タイプERを使うと、水っぽくならずにプルプルとした弾力のある生地を作りやすくなります。水分を多く含むことで、焼き上がりの中身はさらに瑞々しく、口溶けの良いものに仕上がります。

生地の扱いで気をつけたいポイントと改良剤

かつて国産小麦はグルテンが弱く、フランスパンのようなボリュームを出すのが難しいとされていました。しかし、タイプERにはその弱点を補うための工夫が施されています。原材料表示を見ると、小麦粉の他に「米こうじ」「クロレラエキス」「アセロラ粉末」といった記載があるはずです。これらは自然由来の生地改良剤で、発酵を助けたり、グルテンを強化したりする役割を果たしています。

これにより、タイプERは高灰分でありながらも製パン性が高く、初心者でも比較的扱いやすい粉に仕上がっています。ただし、国産小麦特有の性質として、こね始めの生地が少しベタつきやすいと感じることがあるかもしれません。しかし、こね進めていくうちにしっかりとグルテンがつながり、まとまりが出てきます。リスドォルと同じレシピで置き換える場合、最初は水分量をわずかに(2〜3%程度)減らして様子を見るか、逆に吸水の良さを信じてそのまま加えるか、何度か試して感覚を掴むと良いでしょう。

どんなパン作りに最適か:個性を活かすレシピ

タイプERの濃厚な旨味と香りを活かすなら、「カンパーニュ(田舎パン)」や「パン・コンプレ(全粒粉パン)」のような、素朴でどっしりとしたハードパンが最適です。ライ麦粉や全粒粉をブレンドしても、タイプER自体の力が強いため、骨格のしっかりしたパンに焼き上がります。低温で長時間発酵させる「オーバーナイト法」を用いると、酵素の働きでさらに旨味が増幅され、お店レベルの本格的な味わいになります。

また、具材を混ぜ込むパンにも適しています。くるみやドライフルーツ、チーズといった味の強い具材と合わせても、生地の味が負けることがありません。特にハード系のチーズや、ワイン煮のイチジクなどとの相性は抜群です。一方で、非常に軽い食感を目指すパンや、真っ白な色味を出したいパンには、色がくすんでしまうため不向きかもしれません。

実際に焼き比べ!風味と食感はどう変わる?

ここまでそれぞれの特徴を見てきましたが、実際に同じ条件で焼き比べた場合、どのような違いが表れるのでしょうか。ここでは、基本的なフランスパンのレシピを用いて焼き比べた際の、具体的な感覚の違いをシミュレーションしてみましょう。五感で感じる違いを知ることで、自分がどちらの粉を選ぶべきかがより明確になるはずです。

クラスト(皮)の厚さと食感の違い

焼き上がったパンにナイフを入れた瞬間、まず感じるのがクラスト(皮)の違いです。リスドォルで焼いたパンは、クラストが比較的薄く、パリパリと軽快に割れる感触があります。「歌う」と表現されるように、焼成直後にパチパチと音が鳴りやすいのもリスドォルの特徴で、繊細なクリスピー感が楽しめます。

対してタイプERのクラストは、リスドォルよりもやや厚めに形成されやすく、ザクッとしたハードな食感になります。「バリバリ」という表現が似合うような、噛み応えのある力強い皮です。噛めば噛むほど香ばしい苦味と甘みが滲み出てくるため、皮そのものの味を楽しみたい人にはタイプERのクラストがたまらない魅力となるでしょう。

クラム(中身)の気泡と柔らかさ

断面を見てみると、クラム(中身)の様子も異なります。リスドォルのクラムは、大小の気泡がバランスよく入り、艶やかで透明感があります。指で押すとすぐに戻ってくるような弾力がありつつも、口に入れると軽くほどけていきます。色はクリーム色で、見た目にも軽やかさを感じさせます。

一方、タイプERのクラムは、少しグレーがかったクリーム色をしており、しっとりとした質感が目立ちます。気泡膜(気泡の壁)がリスドォルよりも厚く、しっかりとしている印象を受けます。口に入れると、ふわっと消えるというよりは、モチモチと舌に絡みつくような食感があります。この「もっちり感」こそが国産小麦の真骨頂であり、日本人が好む食感そのものです。

翌日の食感と味わいの変化について

パンは焼きたてが一番美味しいと言われますが、翌日の変化にも粉の個性が表れます。リスドォルのパンは、翌日になるとクラストのパリパリ感は少し落ち着き、全体的に少し引きのある食感に変化します。トースターでリベイク(焼き直し)すると、再びサクッとした軽さが戻り、焼きたてに近い食感を再現しやすいのが利点です。

タイプERのパンは、翌日になると全体が馴染んでしっとり感が増します。硬くなるというよりは、モチモチ感が凝縮され、熟成されたような旨味を感じることができます。リベイクすると、クラストのザクザク感が蘇り、中のモチモチとのコントラストがより一層際立ちます。時間が経っても風味が飛びにくく、むしろ味わいが深まるように感じられるのは、高灰分の粉ならではの特性と言えるでしょう。

どちらが自分好みかを見極める視点

結局のところ、どちらが良いという優劣はありません。自分の好みや、その日の気分、合わせる料理によって選ぶのが正解です。「朝食にサッと食べられる、軽くて歯切れの良いバゲット」を焼きたいなら、間違いなくリスドォルがおすすめです。サンドイッチにしたり、オリーブオイルをつけて食べたりするのに最適です。

逆に、「夕食のワインに合わせて、じっくり味わうカンパーニュ」を焼きたいなら、タイプERがその実力を発揮します。チーズや肉料理と一緒に、パンそのものを主役として楽しみたいときにぴったりです。また、とにかくモチモチした食感が好きだという人は、バゲットであってもタイプERを選ぶことで、理想の食感に出会えるかもしれません。

簡単な選び方の目安

リスドォル:軽い食感、サクサクの皮、あっさり味、初心者向け、サンドイッチ用

タイプER:モチモチ食感、ザクザクの皮、濃厚な味、中級者〜、食事の主役用

使い分けのコツとブレンドのすすめ

タイプERとリスドォルのそれぞれの個性を理解したら、次はそれを実践でどう活かすかです。プロのパン職人や上級者は、単一の粉で焼くだけでなく、状況に応じて使い分けたり、時にはブレンドしたりして理想のパンを追求しています。ここでは、家庭でもすぐに実践できる使い分けのコツや、ブレンドの楽しみ方についてご紹介します。

作りたいパンのイメージに合わせて選ぶ

パン作りを始める前に、「今日はどんなパンが食べたいか」を具体的にイメージすることが大切です。例えば、週末のブランチ用に、レタスやハムをたっぷり挟んだ「カスクート(バゲットサンド)」を作りたいとしましょう。この場合、パンが硬すぎたり引きが強すぎたりすると、具材と一緒に噛み切るのが大変です。そこで、歯切れの良さと軽さが特徴のリスドォルを選びます。

一方で、秋の夜長にビーフシチューと一緒に食べるパンを焼くならどうでしょうか。濃厚なシチューの味に負けないよう、パンにもしっかりとした小麦の香りが欲しくなります。また、スープに浸してもふやけすぎない弾力が欲しいところです。このようなシーンでは、香りが強くモチモチ感のあるタイプERを選ぶのがベストマッチです。このように、食べるシチュエーションから逆算して粉を選ぶと、パン作りの満足度が格段に上がります。

両方をブレンドして「いいとこ取り」をする

「リスドォルの軽さも欲しいけど、タイプERの香りも捨てがたい…」。そんな欲張りな願いを叶えるのが、2つの粉をブレンドするテクニックです。実はこれ、プロの現場でもよく行われている手法です。例えば、ベースをリスドォルにして、そこに20〜30%ほどタイプERを混ぜてみてください。すると、リスドォルの扱いやすさと軽さを保ちつつ、タイプERの香ばしい風味と少しのモチモチ感をプラスすることができます。

逆に、タイプERをベースにリスドォルを混ぜれば、重厚になりすぎるのを防ぎ、少し軽さを出すことができます。配合比率を変えることで、無限のバリエーションが生まれます。「リスドォル7:タイプER3」は、初心者でも失敗しにくく、味の違いも感じられるおすすめの黄金比率です。ぜひ自分だけのオリジナルブレンドを見つけてみてください。

保存方法と粉の鮮度について

最後に、粉の保存方法についても触れておきます。どんなに良い粉を選んでも、保存状態が悪ければそのポテンシャルを発揮することはできません。特にタイプERのような高灰分の粉や全粒粉に近い粉は、酸化しやすく、風味が落ちるのが早い傾向にあります。また、リスドォルも湿気を吸うとダマになり、グルテンの形成に影響が出ます。

基本的には、直射日光と高温多湿を避け、密閉容器に入れて冷暗所で保存するのが鉄則です。特に夏場や、使い切るのに時間がかかりそうな場合は、密閉袋に入れて冷蔵庫(野菜室)で保管することをおすすめします。ただし、使う際は必ず室温に戻してから計量してください。冷たい粉のまま使うと、仕込み水の温度調整が難しくなり、発酵が遅れる原因になります。常に新鮮な状態で粉を使ってこそ、それぞれの違いを正しく味わうことができます。

まとめ:タイプERとリスドォルの違いを知ってパン作りを楽しもう

ここまで、「タイプER」と「リスドォル」の違いについて、成分、特徴、食感、使い分けの方法など、様々な角度から解説してきました。最後に改めて要点を振り返りましょう。

リスドォルは、日本のフランスパン用粉のスタンダードであり、カリッとした軽いクラストと、あっさりとした飽きのこない味わいが特徴です。扱いやすく安定性が高いため、初心者が最初に手に取る粉として最適ですし、日常的に食べる食事パンとしても非常に優秀です。

タイプERは、北海道産小麦を使用したこだわりの準強力粉で、高い灰分による力強い香りと、国産ならではのモチモチとした食感が魅力です。噛み締めるほどに広がる濃厚な旨味は、パンそのものをじっくり味わいたい時や、少しこだわった本格的なハードパンを焼きたい時にその真価を発揮します。

どちらの粉もそれぞれに素晴らしい個性があり、どちらが優れているということではありません。大切なのは、自分の作りたいパンのイメージに合わせて最適な粉を選び取ることです。時にはブレンドをして、自分好みの食感を探求するのもパン作りの醍醐味の一つです。

ぜひこの記事を参考に、次はあえていつもと違う粉を選んでみたり、ブレンドに挑戦してみたりしてください。粉の違いを知ることで、あなたのパン作りの世界はきっともっと広く、奥深いものになるはずです。

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